<設立趣旨>
1965(S40)年、田里健二医師を中心とする有志により「心臓病の子どもを守る京都父母の会」が発足し、育成医療の全額公費負担、小児慢性特定疾患として内科的治療の無料化の実現、保健所や学校での心臓健診の実施、学校での管理指導等について京都府・京都市に要望し、実現しました。
60年前は手術の成功率が低く、幼稚園等の入園も容易ではありませんでした。社会から隔絶された子ども達の笑顔ために、1975(S50)年、心臓病児のための自主保育の場「パンダ園」を設立しました。先達の必死の思いを受け継ぎ、今日まで多くのボランティアでパンダ園を支えてきました。助かる命が多くなった今ではQOLの向上を主な目的とし、心臓病児だけでなく、様々な病気を抱えた子ども達も共に過ごす場所になっています。医療の進んだ現在でも、我が子に障害があるという思いがけない出来事に、多くの保護者は戸惑いを受けます。病院では子どもの病気の治療などは行いますが、保護者への心のケアや、障害者団体の紹介などは行き届いていない現状があり、辛い思いを抱え込んでしまいます。パンダ園では毎週2回(火・金)に保護者と子どもたちで集い、 同じ悩みを持つ家族や、経験豊かな保育士と共に、成長を見守り、励まし合っています。また子ども達が豊かに育つように、ボランティアの皆さんが心を込めて作る美味しい給食があります。イベントではコンサートやサマーキャンプなどを企画し、保護者同士も交流する機会を設けています。そして専門家を招聘し、医療、福祉などの相談会も開催しています。
また、パンダ園では病気のない子どもも受け入れています。一般的な障害者施設は障害者専用です。しかし社会では多くが障害を持たない人たちであり、価値観も様々です。「いろんな人がいて当たり前。みんな同じ大切な命」という感覚は、障害の有無に関わらず大切なことであり、その感覚は幼いほど自然に身に付いていきます。私たちは障害を持った子どもとその家族を支えるだけでなく、障害者への良き理解者を増やすことも目的としています。
病児の保育以外に、兄弟姉妹のケア、卒園生の就学相談、子どもを亡くした家族のケアをする活動もしています。創立から現在まで、必要とされてきた当会を、これまではボランティアによる任意団体として運営してきましたが、息の長い活動を続けるために、2018年にNPO 法人化しました。
次世代を担う若い方々にもっと協力していただけるよう、社会的信用度を上げていく必要があります。そしてこれから生まれてくる全ての子どもが、素晴らしい命であり、希望であることを伝えられる場所であり続けたいと願っています。
★2022年8月30日、京都市より、認定特定非営利活動法人(認定NPO)として認定されました